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デジタル総合印刷株式会社

  • IT/Web・通信・インターネット系

システム開発、3Dソリューションが好調。印刷×DXで企業の情報活用を支援

自社サービス製品あり
残業少なめ

企業について

デジタル総合印刷株式会社は、印刷事業とDX事業の2本柱でクライアント企業の情報活用を支援している会社だ。保険会社や各種製造・販売メーカーなど、名だたる大企業と直取引をしている。

1952年6月、大阪印刷社として創業。謄写版を用いた印刷事業の開始してから現在(2022年4月)までの70年間、商業印刷を中核事業としつつ、各時代の最新技術を取り入れながら業容を拡大してきた。1980年には開発部隊を社内において、デジタル化を推進。2000年には社名をデジタル総合印刷に改称し、現在に至っている。

商業印刷は、チラシ、パンフレット、ポスターなどの宣伝用印刷と、商品カタログ、会社案内、マニュアルなどの業務用印刷の2種類に大別される。その中でも同社が得意としているのは業務用印刷で、特に保険会社のしおり約款、メーカーの商品カタログ、各種マニュアル類など、コンテンツマネージメントシステムと連動させた、印刷業界で“ページもの”と呼ばれる領域を得意としている。

しかも、印刷機は社内に持たずグループ会社の工場で行うため、DTP制作の工程を中心に強みを磨いてきた。そのDTP制作の工程で生成されるデータを始め、企業が持つコンテンツの重要性から2次利用、3次利用を支援するのが、近年、2本目の柱として着実な成長を遂げるDX事業である。

現在引き合いが多いのが、2DのWEBパーツカタログ『座標鳥』である。パーツカタログとは、機械メーカーなどが自社製品のアフターサービスを行うために必要な資料で、パーツの分解図と部品リストで構成されている。従来は紙で制作していたが、物によっては電話帳並みの分厚さになるため、それをWEB化しリンクシステムとして開発したのが『座標鳥』だ。2005年のリリース以降、競合製品の中でも特に好評を博し、有名メーカーやインフラ系の大手企業を始めとする数多くの企業に採用され、今も導入社数を増やしている。

『座標鳥』で実績を作った同社は、2014年、さらに3D-WEBパーツカタログシステム『CATALOG creator』の販売を開始している。『CATALOG creator』は、ドイツのソフトウェア会社 Quanos Service Solutions社が開発するアプリケーションだ。3D CADデータをXVLデータに変換し、サービスパーツカタログに適した各データ間のクロスリンクを作成。リンクした全てのユニットや部品は、3Dビュー・2D展開図として切り替え表示できる。同社は現在、国内唯一の正規販売代理店として、導入検討段階から、導入にあたっての開発、導入後のトレーニングを始めとする運用支援までワンストップでサポートしている。

2次元の『座標鳥』、3次元にも対応する『CATALOG creator』、この2つはどちらもペーパーレス化、DX、SDGsといった時代背景を受けて、これまでにないスピードでニーズが拡大中だ。

パーツカタログシステム以外にも、CMSやBtoBのECシステム、チャットボットなど、クライアント企業のオーダーに応じたWEBシステムのスクラッチ開発、さらに自社サービスの企画開発などを行うデジタル総合印刷社。こういったシステムベンダーとしての業務以外に、DX事業として注力しているのが3Dソリューションだ。

日本国内の製造業では、まだまだ3D CADの導入が進んでおらず、3D CADを使える人材不足に加え、3Dデータの効果的な二次利用に悩む企業も少なくない。そういった企業からのオーダーに応じて3D CADデータ制作から始まり、その3Dデータを利用したアニメーション制作や、CG制作など有効活用を提案し、受託するのが3Dソリューションである。

取締役・井口知氏がDX事業の方針を語る。

「昔は試作品を1つ作るにしても、金型設計からモックアップ作成など、時間とお金をかけてシミュレーションしていました。今は3D CADの設計データさえあればCG画像から動作シミュレーションまでフロントローディングでの活用が可能となります。国内製造業における3Dデータの有効活用はまだまだ十分ではありません。せっかく高いお金を出して購入した3D CADで作成したデータを、設計だけではなく、営業・販売・保守サービス、販促PRなどにも活用していきましょう!というのが我々のいう「見える、から魅せる化へ」のご提案です」(井口氏)

同社の強みは社内に実際の製造現場で、3D CADを使った設計業務の経験を有する技術者が在籍していることだ。設計知識のないオペレーターにはできないリバース設計や、2次元データから3次元データを起こすことも可能だ。そういった3D設計の技術を武器にしつつ、『Unity』や『Blender』を使ったアニメーション制作や、CG制作などクリエイティブ系のスキルを身に着けて幅を広げてきた。大手建設会社が手掛ける超電磁力鉄道や新駅のプロモーションビデオ、原子力燃料工場など容易に出入りが出来ない環境下で作業を行う作業員を育成するためのVR/MRコンテンツといった制作のオーダーにも応える。

「UnityにC#を組み合わせることで、VR、MRなどのコンテンツを作れます。今後は、家電メーカーなどのヴァーチャル店舗、住宅メーカーのヴァーチャルショールムなどのニーズも積極的に拾っていきたいと考えています。さらにメタバースにも興味を持って準備を進めています」(井口氏)

3Dデータを活用するサービスパーツカタログを除いては、全社における3Dソリューションの売上比率はまだ大きくはないが、3Dコンテンツ市場は大きな可能性を秘めている。そこで、同社は3Dソリューションの本格的なビジネス展開に向けた準備を進めているところだ。

デジタル総合印刷では、1982年に文字情報処理用汎用コンピュータシステムを導入し、1986年には汎用コンピュータを利用した画像処理システムを独自開発するなど、業界を先駆けてデジタル化を進めてきた。その成功体験がもととなり、常に技術革新には積極的な投資を行ってきた。1987年には、デジタル技術を追求するために別会社を作り、印刷技術のみならず、次世代を見据えた情報技術の研究にも取り組んできた。

2000年前後からは、そういった自社のデジタル化のノウハウを外部に提供し始め、クライアントの要望を聞きながら様々なソリューションを開発。『座標鳥』や3Dソリューションもそういった経緯を踏んで生まれたものだ。その20年以上におよぶ積み重ねが、現在のDX事業のベースとなっている。

コロナ禍の影響もあり2020年以降は国内のDXに対するニーズが加速した。そういったニーズに応えるため、2021年には、ITおよびデジタル領域の部署を再編してDX事業部を設立。規模の大小を問わず、国内にはデジタル化の前提となる環境整備が出来ていない企業は少なくない。そういった企業のDX推進を、システム開発と3Dソリューションの両面で支援していく考えだ。

デジタル総合印刷社全体の従業員数は約220名。そのうち、システム開発、3Dソリューションに従事しているのは大阪本社と岡山県津山市に構えるテクノアーツ津山の2拠点合わせて約20名。全体の10分の1の人員で、会社全体の約3割を占める売り上げを担い、年々その割合を増やしている状況だ。そのため、WEBエンジニアや3Dクリエーターの採用を強化している。

今後さらにDXへのニーズが高まることが予測される中、目指すのはよりアグレッシブで、アクティブな技術者集団だ。受託だけではなく、自社企画のサービスやソフトウェア資産もこれまで以上に積極的に取り組んでいく。求めるのは、そういったビジネスの先頭に将来立てるような人材である。特に、30代、40代の中堅世代を積極的に採用する考えだ。

「弊社は時代の求めるものに対し、走りながら、柔軟にトライしてきた会社です。従業員からの新しい提案も100%吸い上げています。キャリアステップにも決まったものはなく、技術者として入って、将来は管理職を目指してもらうことも可能です」(井口氏)

小規模の組織であるため、幅広い業務に携われる。製造業のDXは、これから大きく発展する余地を残す領域でもあり、新しい技術、新たなサービスを自ら開拓していく醍醐味もある。しかも直請けがほとんど。クライアントに直接自分の考えを提案できることは大きなやりがいに通じるだろう。デジタル総合印刷社は、一定の経験を積んだエンジニアやクリエーターの新天地として、申し分のない条件が揃う会社だ。

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インタビュー

デジタル総合印刷株式会社のインタビュー写真
三日月 睦 新規事業企画部 部長 1996年3月、コンピュータ系の専門学校を卒業し、新卒でデジタル総合印刷株式会社に組織改編される前の日写技研に入社。 DTP制作に携わった後、プログラムとDTPを融合したプログラム組み版の開発プロジェクト推進に携わる。その後、開発課でコーディネーターとして顧客対応に従事。さらに、人事部、経営管理部、営業部、資材部など、社内の各部署を横断的に経験。 2018年から現職に就き、DXを始めとする事業開発に携わる。

── 御社の印刷会社としての強みをお話しください。

“デジタルさんになら任せられる”。お客様からそう思っていただけるような付加価値をつけたサービスを心がけてきたことが、弊社の1つの武器です。

その1つが、お客様相当の業務知識を身につけることです。例えば弊社は試薬メーカー様との取引がありますが、試薬系のカタログなどのように分厚い本になりますと、文字校正も大変な作業になります。保険会社のしおりや約款なども、細かいうえに、情報がものすごい量になります。そういった案件ではお客様のところで誤字脱字が見逃されて、校正紙が返ってくることも珍しくありません。そこで間違いを見つけて指摘をしてあげることで、お客様から... 続きを読む

求職者の声

企業情報

会社名

デジタル総合印刷株式会社

業界

IT/Web・通信・インターネット系 > インターネット/Webサービス・ASP

IT/Web・通信・インターネット系 > AR/VR/MR

企業の特徴
自社サービス製品あり、残業少なめ
資本金

5,000万円

設立年月

1952年06月

代表者氏名

代表取締役 河内 克之

事業内容

商業印刷、出版印刷、インターネット関連ビジネス、
コンテンツ企画・制作、各種データ処理及びソフト開発、
広告プランニング、デザイン、
労働者派遣事業 【許可番号 派27-304503】、
有料職業紹介事業【許可番号 27-ユ-302888】

株式公開(証券取引所)

非上場

従業員数

214人

本社住所

大阪府大阪市東住吉区杭全2-10-1

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