anbx株式会社

anbx（アンビエックス）株式会社は、従業員20名ほどの小さな会社ではあるが、コールセンター向けシステム構築において、その規模からは想像できないほどの実績と実力を築いている。

CRMシステムと電話機を繋げるためのミドルウェアであるCTIソフトウェア『CT-Clip』を自社で開発。Microsoft社が展開するサブスクリプション型クラウドサービス「Microsoft365」に含まれるビジネス向けのクラウドCRMシステム「Dynamics365」を活用したサポート対応の開発を得意とし、「Aspire WX PBX」という電話機交換機と「Aspire WX」という電話機を法人向けに導入して運用・保守まで行う事業も展開している。
「CTI、CRM、電話機はそれぞれ異なる専門知識が求められますが、anbxには全ての専門家が揃っているため、お客様のニーズに応じて三つの事業を適切に組み合わせて提供することができます。各分野を単独で提供している業者は多数ありますが、これらを包括的かつ柔軟に扱えるところはanbx以外ありません。実は、日本で当社だけが連携できている機能も沢山あるんです。そこが、お客様から選ばれる強みの一つになっています」（代表取締役社長・高橋一功氏）。

anbxは、Dynamics365認定インテグレーターパートナーであり、「Dynamics365でコールセンター業務の案件となると、ほぼ必ずといっていいほどマイクロソフト社からの紹介がanbxにくる」というほど、絶大な信頼を得ている。取引企業も大手SIerをはじめ、名の知られた企業がずらりと並んでおり、空港管理のサポートシステムや魔法瓶メーカーの製品サポートシステム、大手都市銀行の銀行業務におけるSMS活用等、手掛けたプロジェクトやクライアントもバラエティー豊かだ。

「起業する際、ニーズはあるが大手企業は手を出さないニッチな市場で、様々な企業と企業を繋ぐハブとなるようなビジネスをしようと考えました」
高橋氏のこの考えはanbxによって具現化し、多くの企業との協業を生み出している。クライアントも含め、信頼関係で結ばれたこのネットワークは同社の大きな強みだといえる。

近年は、コールセンター業務と「Microsoft Teams」を連携させるケースが増えている。この流れにも当然、anbxは対応している。
「Teamsを使ったプロジェクトに社員を派遣し、知見と経験の蓄積を積極的に進めています。また、コロナ禍によってリモートワークが広がったため、会社の電話を在宅で受けられるようにしたいという在宅コールセンター化のニーズも増えていますが、これに応えるサービスとして、会社電話番号への電話着信をTeamsへ転送し、個別のパソコンへ発着信・応対を可能にするサービス『PhoNext』にも取り組み始めています」

“繋ぐ”をキーワードに、「Dynamics365」以外のマイクロソフト社のサービスに対する技術的習熟度を高め、対応可能な事業領域とクライアントを着実に広げていくのが、anbxの成長戦略の基軸となっている。

この堅実な戦略によって築き上げた信頼は絶大なものがあり、マイクロソフト社をはじめ、取引のある大手SIer等からコールセンター関連プロジェクト以外にも数多くの引き合いがあるという。
「5Gをはじめブロードバンド通信技術の発展によって大量のデータ伝送に対応したシステム開発ニーズが高まっています。当社にもそのようなWebアプリケーション開発に対応してもらえないかという相談が数多く来ているのです。そこで、2022年4月1日に、ITスペシャリストが集う少数精鋭のチーム、『テクニカル・スペシャリスト（TS）事業部』を発足。ITシステム開発におけるエンジニア派遣を専門とする事業を立ち上げました」（高橋氏）。

派遣事業というと、大手SIerからの二次請けや三次請けというケースが少なくない。しかし、anbxの場合、既存事業において大手SIerをはじめとしたクライアントとの強力なリレーションというアドバンテージがあるため、基本的に一次請けがメインで大手企業からの直接依頼もあるという。手掛けるプロジェクトも国内トップシェアの大手半導体装置メーカーや日本最大手の光ケーブルや5G基地局の機器といった非鉄金属メーカーのものもあり、発足間もないながら、通信機器制御用Webアプリケーション開発や鉄道向けWeb-APIアプリ開発等、複数のプロジェクトが走り始めている。
「こういう表現が正しいか分かりませんが、私がanbxに入ってまず感じたことが、『よだれの出そうな案件』の豊富さと優良な取引先の存在、そして、良い条件で先端技術に触れられる機会に恵まれていることでした。しかし、既存事業のみでは、この好条件を活かしきれていないと感じ、TS事業の発足を提案、このたびスタートすることになりました。自分のWebアプリケーション開発スキルを活かして面白い仕事をしたいという方は、是非この環境と機会を活用してください」（TS事業部長・砂田剛氏）。

anbxは「メリハリの利いた会社」だ。基本的に定時にはみんな帰り、20時まで残業していると珍しがられるという。当然、その分、業務時間中は効率性が求められるため濃密な時間が流れている。
「といっても、何から何まで指示通り動くことを求めたりはしません。むしろ、少人数で各々の役割分担が明確な分、仕事は任せています。会社として目指すゴールと最後の守りの部分、サッカーで例えるならフォワードとゴールキーパーは私が担いますが、中盤の選手＝社員達はどう動けば最良のパフォーマンスと成果を出せるか考え、自主的に行動していますね」（高橋氏）。

社員の自主性を引き出す環境づくりにも積極的だ。社員は役職等に関係なく「さん」付けで呼び合い、「みんなが意見や文句を言いやすい」フラットな関係にある。
「基本的に社員の意見が形になる、ボトムアップの文化が根付いています。ウォーターサーバーを導入したのも、『若手が水を買っているから何とかならないか』という声がきっかけでしたし、TS事業部立ち上げも、お客様から様々な引き合いがあったという背景はあったものの、最後の決め手は『Dynamics365以外のスキルも身に付けたい』という社員の意見に背中を押されたことが大きかったと感じています」（高橋氏）。

求める人材像について話を向けると、社員に任せる文化があるため、「地頭のいい人に来てほしい」と高橋氏は語る。
「私自身が十数個をマルチタスクで進めるタイプなので、複数のタスクを並行して進められる人がいいですね。優先順位と時間配分を判断して進捗を管理、実行できる人が活躍しやすい会社だと思います。新卒で入社した社員にも、どのタスクに何分時間をかけたのか、日報で記録してもらっています。これを継続することで時間単価の意識が根付き、生産性を高めることに繋がっています」

長く働いてじっくり実力を磨いてほしいと考えているため、企業年金や退職金制度等を整備。ムダな会議は行わず、リモートワークにも対応する等、働く環境を整えることにも積極的だ。
「anbxという社名は、『ambitious box』＝希望の箱という言葉からつくった造語です。今回、TS事業部という、大きな伸びしろを秘めた事業も立ち上げ、箱の中に新たな希望が加わりました。この箱のふたを開けて希望を現実のものにするため、一緒に働く仲間を求めています。少しでも興味を惹かれたのなら、一度話をしましょう。お待ちしています」（高橋氏）。