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インタビュー画像代表取締役社長・越中 健治氏

御社は元々制作会社として創業されているのですか。

当社は1977年に創業した会社で、この業界では珍しく45年を超える事業実績があります。創業当時はもちろんWeb事業はなく、アド・ロードという社名で紙媒体の制作からスタートしました。 当初は、代理店からいただく仕事をしていましたが、お客さまの要望や我々からの提案も代理店を介する場合が多く、直接的なやり取りが少ない分、本当にこれで課題解決できているのかなという思いを抱えながら対応しなければいけないこともありました。 私自身、先代から常日頃言われてきたことは、“お客さまが見える位置で仕事をすること”。お客さまが本来求めるものを見極めて、しっかり価値を提供することが第一義であるという話を何度も聞かされてきました。そういったことから、意識的に直接お客さまとの取引に移行できるよう徐々に体制を整え、現在、代理店案件は一切していません。

社長はおいくつでご入社されたのですか。

私は21歳で入社しました。当社は私の父親が起こした会社で、初めの3年間は周りからの視線も厳しかったですね。興味はあったものの業界経験は全くありませんでしたし、入社前に本を数十冊渡されましたが、実質的には、入社後お客さまと先輩との仕事の中で、失敗しながら現場で学んでいきました。 会社を継ぐことを意識し始めたのは11年目に入ってからです。長らく一人のプレーヤーとして過ごしましたが、私から先代に働きかけ、銀行や税理士、社会保険労務士との話にも参加させてもらうことから始めました。1年半ほど二人代表制を取った後、完全に社長を交代しました。 それから現在に至る社内体制づくりに努めてきました。その際、一人のプレーヤーとして働いた経験は大きかったですね。入社当時は、夜遅くまで働くというような昔ながらの制作会社の慣習はまだまだ残っていて、業界全体でも多かれ少なかれ似た状況だったと思います。ただ、そうしないと競争力を発揮できない組織から脱却したいという思いは当時からあり、プレーヤーとして働いた経験は、その後、さまざまな社内改革をしていくための動機になっています。

制作から企業広報に舵を切ったきっかけをお話しください。

私が入社して、さまざまな先輩から学ばせてもらい、さまざまなお客さまと取引していく中で、当社がお客さまから選んでもらうための提供価値とは何かを意識するようになりました。 代理店からの案件では、確かにデザイン性は大切、技術が高いことも大切。しかし実際にお客さまと直取引を始めたとき、我々が提供すべきものは、お客さまの社内でもハッキリ見えていないような課題を共有できるパートナーとして、そのスタートから並走できること。まず課題の本質を明確化し、解決策を一緒に考えることではないかと思うようになりました。 もちろんデザイン性や技術などを軽視するという話ではありません。課題の本質を見ることなく、良いデザインも、それが機能する顧客体験も生まれないということです。私が社内で常に言っていることは、具体的に「誰にどうなってほしいのか」ということです。「誰」の部分は、その依頼者のお客さまの場合がほとんどですが、本質的な課題を見ずに、お客さまから何かの制作物を作ってと言われて原稿がきたので作りました、という仕事では価値を提供したことにはなりません。 我々はキーワードとして、「並走」という言葉をよく使います。お客さまと一緒になって同じ課題を共有し、且つ客観的な視点を持った良き相談パートナーとして存在し続けたい。それが最も強い想いです。

従業員教育の考え方や方法をお話しください。

社員が自らの得意な領域を全社員に対してレクチャーをする会を定期的に行っています。これは教育の観点から見て、アウトプットすることで発信者本人が多くを学ぶと感じるからです。もちろん受講している社員にとってはインプットになりますが、発信者としては、この会の達成目標をどこに設定するのか、どう提示すれば大切な部分が伝わるのか、そのために必要な資料は何か、どういった質問を想定しておくか、というある意味プレゼンテーションの全体像を設計することになります。コミュニケーションを主軸に仕事をしている会社としては、このような練習がお客さまに対するコミュニケーションの精度を確実に高めると思っています。 また、誕生日に5,000円分の図書をジャンル問わず会社の予算で購入できます。これも全社員に向けアウトプットしてもらいます。これに関しては趣味の領域でも、その時に興味のあるものでもテーマは自由ですが、その本の内容の本質をしっかり捉え、どう伝えることで興味を持ってもらうかなど、そのテーマの魅力が伝わる話を組み立てることになります。一見書評のようですが、ジャンルを問わず、あるものの魅力を伝え、興味をもってもらうということには、広報という仕事の基礎があると思っています。 アウトプットを重視するのは、もちろんインプットの質が変わるからですが、コミュニケーションの精度を高めるには、自らの考えをどう伝えられるかを試す場を持っていることが大切だからです。 その他にも、プロジェクト終了時に関係したメンバー全員で、進行の仕方や成果品のクオリティを振り返るミーティングを行い、それぞれにフィードバックする仕組みや、オンライン講座やセミナーを受講できる仕組みなどはもちろんありますが、重視しているのは、自らの考えを組み立て、それを自らの言葉で相手に伝えることができるというスキルを育てたいということですね。

求める人物像をお話しください。

当社は制作スタッフの入れ替わりに伴い、制作体制の変革期として現在取り組んでいます。私たちが目指してきたのは、クライアントが持つコミュニケーションの課題の本質を捉え、解決策を実行する組織です。そのために、さまざまなプロジェクトの企画立案の段階で、アカウントグループだけではなく、クリエイティブグループのデザイナーも交えていろいろな視点を入れるためのブレインストーミングを今まで以上に強化したいと考えています。クライアントへのヒアリングやプレゼンには、クリエイティブグループのメンバーが同行することもあり、デザイナーとして、エンジニアとしての立場から提案ができます。つまり各スタッフに対して、これだけやっていれば良いというマネジメントはしていません。担当領域の垣根を越えてコミュニケーションの課題の本質を掴むためにみんなで考える。その体制作りを続けていきますが、このような取り組みにコアメンバーとして参加することに興味を持っていただける方がいらっしゃれば、ぜひゆっくりお話をさせてください。

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越中健治
新たな制作体制づくりのプロセスで、中核メンバーとして参画することに興味を持っていただける方、ぜひお話させてください。
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