岩手支社開発室 室長 髙橋 陽氏 情報通信分野で世界を股にかけて活躍したスーパーエンジニア。40歳を前に、地元東京から岩手に移住。10年間、アーリーリタイアのような「田舎ライフ」を満喫。その後、現場復帰するために、2020年2月セレクティ岩手支社に入社。派遣会社が受託開発に乗り出すきっかけを作る。現在は、岩手支社の開発室室長として活躍。

どんなエンジニアキャリアを歩んできましたか？

学生時代に独学でプログラミングを習得。自分でゲームを作っていました。卒業後はIT業界に進路を取り、大手電機メーカーに入社。電話交換機のファームウェアを作り、大手電気通信事業者向けの課金システムを開発しました。その後、アメリカのカリフォルニア州サンディエゴに本社を置く世界最大手の通信システムの会社に移籍。最初は日本法人に入り、東京の青山で働いていましたが、本社に異動して日本向けのCDMAのファームウェアの開発や、携帯電話にGPSを乗せる仕事をしていました。 そして日本に帰国してソフトウェア開発会社に入社。大手電気通信事業者向けの携帯電話IP接続サービスやデコメールの開発に携わりました。その他にも、電子書籍ソリューションやモバイル向けのLinux、他社と共同でモバイル版PDFビューワー等の開発も手掛けました。ソフトウェア開発会社では、ソフトウェアエンジニア及び、プロジェクトマネージャーを務めていました。売上150億円規模のプロジェクトを複数経験する等、キャリアの幅を広げられました。

セレクティに入社するきっかけは？

大企業を渡り歩いて、30歳を迎える頃には、仕事をやり切った感がありました。キャリアの上限も見えて、そこから上は独立起業して自分でプロダクトを作ることかな、と。周囲からも起業しないの？とよく聞かれましたが、全力疾走して疲れたのもあって、岩手に移住しました。東京生まれですが、親の実家が岩手で、幼少期によく遊びに来ていました。その頃の楽しい思い出もあり、祖母が体調を崩していたので、家族も岩手に移ってくれると助かると言うので。東日本大震災の直前に来たから、かれこれ10年以上、岩手で暮らしています。 アーリーリタイアみたいな感じ（今でいうFIRE）で、日々の生活を満喫していましたが、さすがに10年も仕事をせずにいると何かやってみたいと思うようになりました。岩手で働ける会社がないかと検索したら「セレクティ」がヒットし、コンタクトを取ったら当時の岩手支店の支店長がフットワークの軽い人で、翌日には面談することになり、この会社なら面白いことができそうだと感じて入社を決めました。

セレクティでは、どんな役割を担っていますか？

現在は、セレクティ岩手支社のIT事業責任者を務めています。 当社は、IT人材の派遣からエンジニアサービスを提供できる会社に生まれ変わろうとしています。技術力を持ったエンジニアを単なる「人材」と扱うのは、もったいないと考えます。もっと技術にフォーカスして、クライアントに対して技術力を提供できる開発会社にしようとしている最中です。だから、当社のエンジニアにも、キャリアを意識した働き方を推奨しています。一つでも二つでもいいから、得意な技術を磨いて、価値を提供できるエンジニアになってほしいと願っています。 派遣の形だと基本的に依頼された仕事をやる。やれることをやる。この繰り返しです。それではキャリアアップになりません。誰でもできる雑務しか流れてこないので、派遣は給料が低いとされます。「私達はこれがすごいので、お任せください」と提案ができる会社・エンジニアになることで、IT業界で存在感を示すことができ、売上・収入アップに繋げられます。

セレクティは、どんな会社だと感じていますか？

派遣事業を主としている派遣会社としてとてもホワイトな働き方を実践している印象です。地方の会社なので東京の会社と比べられると見劣りするかもしれませんが、積極的に社員へ還元して、働き心地の良い会社にしようという意識が見て取れます。ただ、そのおかげで、利益率が低いとも思いますが、IT事業部の売上を上げることで、会社全体の利益率も引き上げたいと考えています。 新設予定のIT事業部でも当社の社風を受け継いでいきたいです。一方で、会社に不満があるなら、自分で変化を勝ち取れるエンジニアになってほしいと願っています。給料が低いなら高い給料をもらえるエンジニアになればいい話です。派遣では決められた仕事をこなすだけなので難しいかもしれませんが、受託開発なら売上を上げることで存在感を示せます。極端な話、例えば再現性のある形で一人で5億円の売上を毎年出せれば、給料は自然と上がります。その意味では、エンジニアは夢のある仕事だと思います。

個人的な夢はありますか？

個人的にも「AIを搭載した介護施設や、病院向けの見守りカメラ」の開発を進めたいと考えております。 ちまたでAIが流行っています。2040年には、AIの知能が人間を超越し、自ら人間より賢い知能を生み出すことが可能になる領域に到達する「テクノロジカル・シンギュラリティ（技術的特異点）」が訪れるといわれています。SF映画のような世界観で考えると、AIは人間にとって恐ろしい存在になる。人間の仕事を奪い、人類を滅ぼすかもしれない。私はAIと人間が幸せに共存できる世界を作りたいと考えます。自分が事業の中でAIに関わり、テクノロジカル・シンギュラリティを人類にとって平和的に迎えたいと思っています。 私のキャリアは、テクノロジカル・シンギュラリティ実現のために必要であると考える、「ネットワーク」、「制御」、「ロボティクス」。そして今回「AI機械学習」を手掛けることで、全てのコマが揃います。当社のIT事業部を立ち上げて100億円企業にする傍らで、そんな個人の事業計画を叶えたいと考え邁進しています。