26歳という若さで起業された芳沢さん。よほどエリートだったのでは……
全くそんなことありません。実は私、高校卒業後はしばらく無職でした。就職面接に50社くらい落ちてしまって。書類選考の時点でダメだったのは100社くらいじゃないかな。やっと受かった食品関係の仕事も肌に合わなくて……。その会社を退職した後、データ入力のアルバイトを始めたんです。そこの上司の厚意で社員登用してもらえたのが転機でしたね。そこから私のエンジニア人生が始まりました。まさに“蜘蛛の糸”が目の前に降りてきて、今ここにいるような気がします。 だから私は、仕事や人生に悩むルーキー層の皆さんを心から応援したい。「やりたいことが見つからない」「エンジニアとして働いてみたけど、自分には向いていないかも……」そんな方々が活躍できるためのきっかけを届けたいんです。私が転機をもらえたように、「アンリミが人生の好機になった」と思ってもらえるような場所にすることが目標です。その思いは今も変わらないですね。
IT業界を経験してきて、ターニングポイントになった出来事はありますか
中でも人生観が大きく変わった出来事は、とあるエンジニアとの別れかもしれません。 IT企業の営業だった時、私より2歳ほど年上のとあるエンジニアと一緒に仕事をしていました。ある日私と打ち合わせをした後から、しばらく連絡が取れなくて。心配してご実家に電話した時、ご家族は彼のお通夜をされていました。私との打ち合わせを終えて帰宅した夜に、心不全で亡くなられたんです。まだ20代後半の方でした。 「私があの日に打ち合わせを入れなければ、彼は……」と自責の念に襲われました。香典を持ってご実家にご挨拶に行き、ご家族に頭を下げました。ご両親もつらくて泣かれているのに、「芳沢さんのせいではない」とおっしゃってくださったのが救いでした。 この日から私はさらに「仲間を大切にしよう」と心に誓いました。そしてこの出来事は「いつ人生が終わるか分からないなら、日々全力で生きなければ」と、当社を立ち上げる背中も押してくれましたね。
それは忘れられない経験ですね……。そんな芳沢さんの、座右の銘は何でしょうか
先ほどの話にも繋がりますが、「今日を120%で生きる」ということですね。 ビジネスでは長期目標を立てることも大切ですが、まず私は一日一日、目の前の仕事に全力投球したいです。毎日全力で生きることができたなら、いつ人生の終わりを迎えても、後悔なんてないんじゃないでしょうか。 もしかすると「見切り発車の社長なのでは……?」と思わせてしまうかもしれませんが、仕事も人間関係も意外と上手くいっているんです。お受けした仕事を100点満点ではなく120点で返すと、周りの方は喜んでくれるんですよね。全力で取り組む姿に、「この人はきちんと成し遂げてくれる」と信じてもらえて、自然と優しくしてくれたり、次の仕事に繋げてもらえたりすることも増えました。 私はゲームが好きなんですが、せっかくプレイするならSランクを狙いたいじゃないですか。そうすれば報酬も多くなるし、自分自身も強くなれる。正のスパイラルが楽しくなってくるんですよね。
御社のエンジニアの方々には、どんな思いを持っていますか
一人ひとり、仕事に真摯に向き合ってくれていると感じます。システムエンジニアリングとして常駐したクライアントの皆さんからは、日々嬉しい声をもらえますね。「この案件も○○さんにしたい」「○○さんみたいな人、他にも御社にいませんか」といった素晴らしい評価も頂いています。 月1回実施する個人ミーティングで直接じっくりと話もしますが、いつもは離れて仕事をしています。そんな中、日々モチベーションを保ってしっかりと仕事に打ち込んでくれていることはありがたく思いますね。 そういった頑張り屋なメンバーが多いため、なるべく当社ではルーキー層にも、リーダーや新人教育担当等のマネジメントを任せています。エンジニアにはマネジメントに苦手意識を持つ人もいるかと思います。ですが、こうしたミッションを通じて、エンジニアとして大きく成長したメンバーも多いですね。
日々全力投球の芳沢さんですが、休日等はリフレッシュできていますか
ゲームや漫画やカラオケがとても好きで、休日はよくのんびりと楽しんでいます。そういったインドアな趣味もあるんですが、最近はアウトドア系も多いですね。ウォーキングやサウナで心も体もスッキリさせています。 それから、旅行も大好きでよく行きます。最近は国内の神社仏閣を巡ることが多いですが、昔はよく海外旅行もしていました。インドネシアやミャンマー、ベトナム、タイ等、アジア圏はよく行きました。日々のリフレッシュになることはもちろん、自分の視野も大きく広がるので、皆さんにもおすすめしたいです。 私の願いの一つは、当社のメンバー一人ひとりに充実した人生を送ってもらうこと。仕事で全力を出した後は、プライベートも全力で楽しんでほしいですね。