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インタビュー画像1981年生まれ、静岡県三島市出身。静岡聖光学院中学・高校を経て、筑波大学第二学群生物資源学類に入学。在学中は、体育会ラグビー部に所属するとともに、花卉・蔬菜研究室にて花の香りを研究する。2003年、株式会社セプテーニへ入社。社内新規ビジネス部署や子会社にて、新規事業の立ち上げを数多く経験。その後、2007年に株式会社ドリコムへ転職し、広告本部部長を歴任。2015年、株式会社メイキップを設立。現在、洋服を買うときにより良いサイズを推奨するレコメンドシステム「unisize」をリリースし、EC業界、アパレル業界から注目を集めている。

普通の会社経営じゃ面白くない。makip起業直後の話

会社を起業するにあたり、普通の会社を経営するのは面白くなくてつまらないなと思っていました。ビジョナリーカンパニーなどを読んでいたので、ユニークな事業をやるだけではなく、素晴らしいビジョンを持ったユニークな会社にしたい。という強い想いも持っていました。そんな時にたまたまリカルド・セムラー氏のTEDの演説を見て驚愕しました。ブラジルの会社なんですが、基本的にマネージメントをしない会社なのに、毎年すごい勢いで会社を伸ばしている。そのビジョンの根本には「みんないい大人だよね。」という考えや「素晴らしい会社は社員も潰したいとは思わない。」という考えが散りばめられています。なんと素敵なアイディアなんだろう!と思い、彼の本を貪るように読んだのを覚えています。僕はドリコム時代にかなり細かくハードなマネージメントをしてきましたが、とても体力を使う割にはメンバーの成長が遅いと感じていました。今考えれば当たり前なんですが、メンバーが考えなければいけないことを僕が上から否定して押し付けてしまっていたので、考える機会を丸ごと奪っていたんですよね。大変なのに成果が少ないんだったら、「いっそのことセムラー氏と同じようにやってみよう。マネージメントしないでもメンバーが自走してくれる会社が経営できたらそんなに素晴らしいことはない。」と思い、その分会社のビジョンや行動指針は明確に決めなければと思い、早々にビジョンと行動指針を決め、一緒に働きたいメンバー像も明確にして行きました。

学生時代の悩みがきっかけ・・。unisize誕生秘話

僕は元々ずっとラグビーをやっていたこともあり、太ももが太いんです。なので当時流行っていた細身のジーンズは全く履けないですし、通販なんてもっての外でした。そんな中ECは今後もどんどん伸びるという。立ち上げメンバーと「オシャレはサイズからなのにサイズがわかるサービスがない。ということはECでオシャレはできないじゃないか!洋服のサイズが簡単にわかるサービスを作ろう!」と話していました。最初はスマホのカメラを使ってサイズをレコメンドすることができたらイイよね!という話をしていましたが、色々調べて行くと当時の技術ではなかなか正確なサイズをレコメンドすることが難しいということがわかりました。そこで、他のネットサービスも含め様々なアプローチをワールドワイドで徹底的に調べたところ、アンケート方式というアプローチにたどり着きました。スマホ文化に合ったアプローチでしたし、その手軽さでもある程度サイズレコメンドの精度を高くすることはできないだろうか?と知恵を働かせ、いろんな人体データや洋服データなどを収集し、アンケートから体格を推測することができるようになりました。これがunisizeの誕生秘話ですね。

起業から4年目。会社はどんな雰囲気ですか?

非常に活気にあふれていて、かつ、大人な雰囲気ですね。仕事をする時は徹底的に仕事をする。遊ぶ時は遊ぶ。議論をする時は真剣に自分の専門領域からの観点で徹底的に議論をします。弊社は少数精鋭で優秀な社員が多いので、プライベートも仕事も大切にしながら、自分のペースで働ける環境を作りたいと思い、彼らが最も効率良く働ける環境を作るために社員は週3日の出社でOKにしています。あとの2日は家で勤務することが可能で、各々のやりやすいように働いてもらっています。皆ファッションが大好きという情熱を持っているメンバーばかりなので、なんとかユーザーの使いづらさという課題を解決したいという想いでサービスの立ち上げに従事してもらっています。 人生や仕事と真剣に向き合っている方にとっては理想的な環境だと思いますが、指示待ちや腰掛けでいいと思っている方からすると非常に居心地が悪いと思います。そして、私としてはもっともっと働きやすい環境にチャレンジをしたいとも思っています。給与ももっと上げたいと思っていますし、自由度と権限、そしてもちろん責任もセットですが、どんどんメンバーが考えて動き、会社のために良いと思うことにチャレンジしてほしいなと思っています。

起業前はどんな会社で働いていたのですか?

大学卒業後、私は「絶対に同期にも誰にも負けたくない」との思いで、 最短で一端の社会人になるためには権限を貰いやすいベンチャー企業が良いと考え、 インターネット広告やダイレクト・メールの発送を代行しているベンチャー企業に就職しました。 その中で“30歳で1千万円プレイヤーになる”という目標を自分に課し、 どう達成するか戦略を練りました。 筑波大ラグビー部時代に監督になぜ自分を使ってくれないのか、 どうしたら使ってもらえるのか?というのを積極的に聞きに行くことができず、 レギュラーになることができなかったのですが、 卒業時に監督が僕のところに来て「真吾、お前ほどのポテンシャルを活かしきれなかったのはおれの責任や。すまん。」と謝られたんです。 その時ものすごくビックリしちゃってw そもそも、僕のことをポテンシャルがあると思ってくれていたことにとてもビックリしました。 そんなこと一言も言われたことなかったですし、 周りには日本代表レベルがゴロゴロいたので、まさかそんな目で見てくれていたとはと、嬉しい気持ち半分、 もっと早く言ってくれたら自信も付いたしもっと積極的に改善点を聞けたのに。。。と思ってしまいました。 まぁ、他責ですよねw その反省点である“トップに直接聞くこと”を実践して、上司に「どうやったら1,000万円もらえますか?」と聞きに行きました。 そして27歳までにいくら、25歳までにはいくら、、、 など逆算思考から毎月、毎日のTo Doに落とし込みました。 1,000万円稼ぐためであれば、なんでもしてやる!どんな自分にでも変わってやる!という強い想いを持っていました。 幸いにも人には恵まれることが多く、優秀な上司や先輩、お客様にアドバイスをいただきながら、がむしゃらに働きましたね。 なかなか自分の欠点やネガティブな点を受け入れることは難しかったのですが、目標のためであれば素直に聞き入れ改善することができました。 転職先であるドリコムでの仕事内容を教えて下さい。 もともと、ドリコムが経営危機を立て直す人を求めていたこともあり、 リミットは3年という中で必死に働きました。 入社当初は行動ターゲティング広告というインターネットを利用する人の閲覧履歴などを元に、 利用者が興味を持つだろう広告をバナーで出すという 新しい広告メニューを作っていました。 その後もリワード広告や動画広告などの新規事業の立ち上げに携わりました。 チーム作りとプロダクト作りを同時に行うという”荒技”には散々苦労しました。 メンバーと一緒に飛び込み営業をしたり、夜討ち朝駆けや出待ちも平気でやりました。 1日200件の電話をかけ、夜に何件のアポイントが取れたかを確認するなど、メンバーそれぞれの行動管理を徹底的にやりました。 それと同時にクライアントがどういう広告を求めているのか?を自分の足と頭でヒアリングし、 考えをまとめてプロダクトに落とし込むということを言葉通り毎日行いました。 心身共にタフな状況に置かれながらも「事業部を立て直すまでは、、、」という責任感で何とか働き、入社7年、34歳の時に退社しました。 コツコツと積み重ねてきた努力が実を結び、事業を黒字にする目標も達成できましたし、 退社をする頃には会社の部長まで任せていただけました。 本当に大変な想いをしましたが、間違いなく実力は付きました。 ここでもやはり人には恵まれ、社長や役員、同僚、部下からも(いろんな意味で)かわいがっていただきました。 今の自分があるのは思い切って火の中に飛び込み、もがき続けたこの経験があるからだと胸を張って言うことができます。 本当に感謝しか有りません。

独立のきっかけ

会社内で新規ビジネスを立ち上げて、組織を自分で作っていく中で、もっとこういう風にやったらうまくいくのに、と色々アイディアが湧きました。インターネット業界というたくさんのチャンスが転がっている環境に身を置いていたこともあり、今までの概念では不可能だったことを可能にできると感じたことも大きいですね。ただ、雇用されている身だとどうしてもすべては僕の思い通りにはできませんし、全責任を負って判断を下すこともできません。30代はビジネスパーソンとして体力的にも気力的にも人生で最も旬な時期ですから、僕が信頼する好きな仲間と好きなことをやろうと思い、起業することを決意しました。 また、父親が亡くなったのも影響としては大きかったと思います。64歳で亡くなったのですが、病気になったのは50歳過ぎでしたので、僕の人生もそれぐらいまでにやりたいことをやり切らないと。という気持ちになりました。人生の終わりが決まると面白いものでとても焦るんですよね。当時30歳前半だったので、あと20年もないぞと。20年もないビジネスパーソン人生の中で何ができるか?何をやりたいのか?誰とやりたいのか?を頭の中でグルグルと考え続けた結果、せっかくいただいた人生だし、ここまでいろんな優秀な方に育てていただいた恩返しを社会にしなければと思い、起業に至りました。

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