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インタビュー画像代表取締役社長・川口 竜広氏 1974年6月生まれ。1998年3月立命館大学卒業。同年4月システムインテグレーション事業等を手掛ける通信建設会社にエンジニアとして入社。2001年ソリューションプロバイダーへ転職し営業職を務める。2005年より2年間、ミシガン大学の経営大学院で学びMBA取得。2007年旭コムテク株式会社入社。2009年子会社のアイネットテクノ株式会社代表取締役社長就任。2011年より親会社旭コムテクの代表取締役社長を兼任。2018年2社を合併し、アンダーデザイン株式会社に社名変更。現在に至る。

川口社長が旧旭コムテク社に入社した当時、電話交換機(PBX)市場はどのような状況だったのですか。

私が入社した頃、既に市場の変化を感じていました。スマートフォンの普及に加え、技術革新によって電話交換機自体が小型化して安価になり、耐久性が増して寿命が延びたことも大きな要因です。ただ、急に需要がなくなるわけではなく、横ばいに近い微減の状態が続いていました。そういった中、多くの同業者は、ICT事業領域の中で、対応事業領域を増やして、生き延びている状況でした。 弊社は70年以上前の1949年に、私の祖父が創業した会社ですが、早くから名古屋、東京に支店を出していましたし、大手のお客様もしっかり付いて、長年、安定した経営を続けていました。IT化、デジタル化が進行して、時代は変わると言われ続けながらも、大胆な社内改革に踏み切れなかったのは、そういった背景があったからだと考えています。親会社と子会社の関係や、オフィス環境、古くなった制度など、手つかずでしたが改善できるところは沢山あると考えていました。 こういった状況に危機感を抱いたことが、社内改革に取り組むきっかけとなりました。2009年に、自ら手を挙げて子会社の社長に就任し、その2年後、親会社の社長を兼務することとなったのをきっかけに、本格的な社内改革に着手し始めました。

具体的には、どのようなことに取り組みましたか。

まず着手したのが構造改革です。リボーンプロジェクトと銘打ち、3年間の中期経営計画の中で、売上と営業利益の具体的な目標を掲げました。その上で、事業拡大、組織の再編、社員の意識改革、教育制度や給与制度、評価制度等、各種制度の見直し、採用の体制づくり、環境整備等、やるべきことは全て実行しました。特に評価制度は、大事と考え数字の実績だけでなく、立ち振る舞いやスキルも含めて評価できる制度を構築しました。この会社に誇りを持ちたい、楽しく働きたいという思いを込めて、「未来にワクワクしていますか?」をキーワードに、徹底して改革を進めていきました。 次に着手したのが成長戦略です。最初の3年で取り組んだ構造改革は、ある程度上手くいきました。子会社、親会社共に、V字回復して黒字に転じ、営業利益も目標を達成できました。ただ、営業利益の目標が達成できたのは、人員整理以外の効率化を進めたからです。そこで次の3年間は「自分の仕事に誇りを持とう、そして売上を上げよう」と、新規事業の開発にも着手したのです。 ところがこの成長戦略は、失敗でした。急激な変化にはひずみが生じ、売上自体も伸ばせずにいました。 ただ、最初の構造改革は、引き続き生きていて、その3年間も効率化は進んでいました。社員への還元も増え、無借金経営となるほどに財務体質が改善されたのです。 その財務体質の上で、今度こそしっかりやろうと、再チャレンジした成果が2018年のリブランディングです。30年後に労働人口は3分の2まで減少して、エンジニアも3分の1まで減ると言われ始めていた時期でした。第4次産業革命が進む中で、我々も変わらないと、産業構造の変化に付いていけない、守るだけでは生き残れないということで、決意を新たにリブランディングに取り組みました。その結果、電気通信工事からサーバー、ネットワークを含めたICT全般へと業容を広げただけではなく、空間デザイン事業やクラウド事業、BPO事業も生まれ、業績も拡大し始めました。採用も上手くいき始め、幅広い事業領域において20代の内定者が格段に増えました。

2018年のリブランディングが成功した理由をお話しください。

自社の強みをしっかり見極めた上で、慎重に現場と足並みを揃えながら進めたことが要因だと考えています。外から見ると、大胆に、色々なことを一気に推し進めてきたように見えるようですが、私としては、失敗しない手堅いやり方をしてきました。 弊社の強みは顧客対応力や現場力、つまり人間力です。インフラに携わる人の多くは真面目で勤勉です。弊社の社員も例外ではなく、真面目で勤勉です。私が代表になる以前から、当社の強みは「マジメなインフラの会社」でした。 リブランディングで「世界一マジメでユニークなインフラの会社」にアップデートしたのは、ドメスティックで労働環境が厳しい仕事というイメージを払拭したかったからです。グローバルな視点も入れつつ、ユニークで面白い、要するにインフラ工事のイメージを変えたいと考えて、オフィス環境を変え、ツールを変え、作業着もスタイリッシュなワークスーツに変えました。実際、私達がやっている仕事は、かっこ良くて、社会貢献度が高くて、成長できる仕事だということを、伝えていきたかったのです。仕事が面白くなければ人は来ませんし、事業継続もできません。例えば空間デザイン事業は、インフラにプラスアルファの面白さを加えられる事業だと思っています。 しかし、このアイデアは決して取って付けたようなものではありません。空間デザインは建設業の中の一つの業種です。弊社は元々電気通信工事業の他に電気工事業もやっていて、施工管理もしてきました。空間デザインができれば、施工管理を全てまとめてできるようになるのです。弊社の強みは現場です。施工は工務店に依頼するにしても、施工管理はできますので、建築士を採用することで建築設計・デザインまで領域を広げていければ、入り口が増えて、多様なスキルを持った人材を採用できると考えました。ICTの人材を採るにしても、インフラだけでは他社と差別化できません。ICTと空間デザインを組み合わせることで、お客様の利便性を高めるだけではなく、社員にとっても面白い付加価値の高い提案ができる会社になるのではないか。そう考えたことが、空間デザイン事業に繋がりました。 社員がいかにやりがいを持って働けるか。そういう環境作りや仕事作りが重要だと考えています。

中長期的なビジョンをお話しください。

アンダーデザインに社名を変更して4年経って、ICT、空間デザイン、ケーススタディスタジオという三つの事業軸が決まりました。まずはこのICTと空間デザインで、しっかりお客様に価値を提供していきたいと考えています。現在、コロナ禍等もあって、働くモチベーションが上がらない、生産性が上がらない等の悩みを抱えている企業が多い中で、ICTで生産性を上げながら、なおかつ、ワクワクするオフィス、働きがいのあるオフィスを作ることで、企業の生産性を上げるお手伝いをしていきたいです。まずはそこをしっかりやっていきます。 ケーススタディスタジオBaBaBa(バババ)は、昨年立ち上げたばかりですが、社会価値の創造に務め、会社の新しい可能性を広げていきたいです。この事業はBtoBtoCのビジネスモデルですので、一般生活者地域社会との窓口にもなりますし、情報通信を強みに持つ会社として、世界に向けた発信源として、日本と世界を繋げていく役割も果たせるのではないかと考えています。また、『BaBaBa』では、SDGsというテーマで何ができるのかも追求していきます。ICTという機械的なものと、デザインやカルチャーといった有機的なものを上手く組み合わせて、面白い世界観を作っていきたいと考えています。

最後に、求職中の方にメッセージをお願いします。

我々はリブランディングを通して、まずは自社が先頭に立って変化することに挑戦していこうとしている会社です。これからは、その取り組みで得たものを、お客様に提供していきます。その事業活動を通して、お客様が変わるだけではなく、弊社自体もさらに変わり続けますし、そこで働く人達も変わっていきます。“Activate Your Business”が、弊社のビジョンです。この環境に身を置いて、自分自身を活性化しながら、お客様をも活性化していく。そういった環境を、これからも充実させていきたいと考えています。 現在、日本の経済成長が世界と比較して停滞しており、暗いニュースばかり目立ちますが、私はもっと元気があっても良いのではないかと思います。我々が牽引してお客様の働く環境を改善することで、もう一度日本の活気を取り戻す。そういう世界をみなさんと一緒に作っていきたいと考えています。そういった思いを共有できる方は、是非、ご応募ください。

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