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インタビュー画像代表取締役 高橋巧氏 成蹊大学工学部経営工学科卒業。(専攻:オペレーションズリサーチ) 鹿島建設にて12年間主に医薬品製造施設や物流施設における情報システム構築のエンジニアリング業務に従事。 その後株式会社イー・クラッチ取締役、インシェント株式会社取締役副社長を経て、2007年6月株式会社イーリバースドットコムを設立、代表取締役に就任。

どのような経緯でイーリバースドットコムを起業したのですか?

「イーリバースドットコム」は様々な運命の巡り合わせの中で生まれました。 私は鹿島建設で、主に医薬品製造施設や物流施設における情報システム構築のエンジニアリング業務に12年間従事した後、大学の先輩と共に起業しました。その会社では、ロジスティクス業界で動脈物流と言われる、建材メーカーから建設現場へ建材を運ぶ物流を効率化しようとしましたが大失敗しました。 そんな中ご縁があって、動脈物流とは逆の静脈物流と言われる、建設現場から処分場へ産業廃棄物を運ぶ物流を効率化しようとしている会社に1年間出向することになりました。 その頃ある大学のロジスティクス研究会で、今後の建設業界の静脈物流の議論がなされていて、大手ゼネコンの代表者と共に私も静脈物流系企業のメンバーとして参加していました。 そして議論は、施行されたばかりでほとんど普及していなかった電子マニフェスト制度を静脈物流にどう絡めていくかといった方向へ徐々に変化していきました。私が鹿島建設出身で「建設」「ロジスティクス」「情報システム」という3つのキーワードにおいて知見があるということから、その研究会で中心的な役割を担うことになりました。 そして、出向先の会社で電子マニフェストサービス「e-reverse.com」を開発し、大手ゼネコン3社約20現場で試行運用を行うことになりました。 当時、出向先の会社は社員数名という規模だったこともあり、試行運用していた大手ゼネコンも試行期間終了と共に運用を終了しようとしていたと思いますが、ほとんどの現場から継続利用希望の声が上がりました。その現場の声を受けて大手ゼネコン3社の研究会代表者の方々で議論がなされ、「確かに電子マニフェストが広まれば現場と業界にとって素晴らしいことだから、会社の垣根を取り除いて3人で協力し、「e-reverse.com」を業界内に広げる努力をしていこう」という結論を出してくださいました。 また、「e-reverse.com」を各社が本採用するためには高橋が外れては困るという話が出て、私が出向先の会社の正社員となることを条件にそれぞれで社内を説得してくださり、「e-reverse.com」の大手3社での正式採用が決まりました。 私も鹿島建設に勤めていたことがあるので、社員数名の会社のシステムを全現場に展開することを前提に正式採用の社内調整をすることが、どんなに勇気のいることかわかります。その3名の方がいたからこそ今の「e-reverse.com」があります。感謝してもしきれないほど恩義を感じています。 ところが、当時はそもそも電子マニフェスト制度自体がほとんど知られておらず、携帯電話でインターネットもできない時代だったのでなかなか普及が進まず、私が正社員になった会社は電子マニフェスト事業から撤退することになりました。 しかし、私はこの事業に大きな可能性を感じていました。また、出向先だった会社の社長からも事業を継承してほしいというお言葉をいただいたので、事業を継承して設立したのが株式会社イーリバースドットコムの成り立ちです。

今後どんなことをしていきたいですか?

事業領域については、現在は電子マニフェストの会社という色合いが強いと思います。そこは大事にしていきながらも、今後はICTを活用して建設現場全体の生産性向上に貢献できるサービスを提供する会社になっていきたいと考えています。 ただ、事業領域が何であったとしても一貫した想いがあります。 それは、未来の子供たちを守ることに間接的でもよいので貢献していたいということです。 日本は当たり前のように水道水が飲める、トイレに行けるなど社会インフラが整備され、安心して幸せに生活できる恵まれた国だと思いますが、これは非常に大事なことだと思います。戦後、社会インフラがままならない状況から、今は当たり前となっている社会インフラを整備してきたのは、国の政策と建設業界です。未来の子供たちを守るための社会インフラ、そこに貢献している建設業界を支援でき、そのための国の政策に間接的に触れていることに弊社の存在意義があると思っています。

ユーザーファーストを実現するために社員がやるべきことは何ですか?

お客様を知る、現場を知ることです。 営業だけではなく、全てのメンバーに現場に行ってもらいたいと思っています。例えばエンジニアであれば、お客様の生の声を聞いて、自分たちで仕様を決めて開発できるということは、受託開発会社ではなく事業会社である弊社で働く醍醐味でもあると思います。 お客様が求めていることをヒリヒリと肌で感じることが重要なのです。 お客様のニーズはどんどん変わってくるはずなので、それをサービスに反映する努力をし続けなければなりません。お客様に評価されるためには、サービス内容はもちろん、システムやカスタマーサポート、営業力などサービスに関わる全てのものをブラッシュアップしていくべきだと思っています。 そのためには、お客様が何を考えているのか、弊社に何を期待しているのかということを肌で感じることが一番大切だと思います。

どんなメンバーと一緒に働きたいですか?

アイデンティティーを持っている人ですね。 企業で働く以上、一人一人役割分担は違いますが、決して機械の歯車の一つにはなってほしくないと考えています。その人がいることで雰囲気が変わる、仕事のやり方が変わるなど、どんなことでもいいので、変化を起こせる人と一緒に働きたいです。そんな個性の集まりが結束し、大きなミッションを達成できる集団になっていってほしいです。 また、それぞれ個性があるので得意分野は異なると思います。誰かが苦手なことでもそれが得意な人が他にはいるはずで、誰かの短所を誰かの長所で補いフォローアップする。1人1人それぞれ違った個性の集まりでありながらも、会社の目指しているもの、ミッション、ビジョン、大事にしている文化といった共通認識があって、皆で頑張ろうと思える集団であれば嬉しいなと思います。 自分が自分らしくいられて個性を活かせる、自分の得意分野を伸ばせる、そういう会社でありたいと思います。

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