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インタビュー画像代表取締役 長谷川 健一氏

株式会社サイラスを立ち上げるまでの経歴は?

大学院で経営学を学び、在学中に同級生四人で起業しました。その中の一人が社会人経験者で、エンジニアとして働いた後に大学院へ進学した人物でした。SESというビジネスモデルがあることを知って、みんなでシステム開発会社を設立し、SESのビジネスを始めました。 IT業界にツテもなく始めたSESのビジネスでしたが、順調に進みました。1年で60名のエンジニアが所属する規模に膨れ上がり、売上高も5億円。今とは違い、3次請けの純然たるSESでしたが、しっかりと儲けを出すことができました。 ところが、代表を任せていた人間が暴走してしまい、公私の区別なく儲けたお金を使うようになり、エンジニアからも不満の声が上がっていたので、私は2年弱でその会社から身を引きました。あの時、お金が人に与える影響を学んだことが、今日の経営に生かされています。

株式会社サイラスを設立した背景は?

自分達で作った会社を辞める前、当時のクライアントだった商社系システムインテグレーターのヘルプデスク業務改善を手掛けていました。実際の業務は手強いクライアントの接待役。毎晩クライアントの部長と飲み歩き、そのおかげでその人に気に入ってもらいました。それが現在の事業に繋がる「システム監査」の仕事に繋がり、今度は一人で会社を設立しました。当初は、フォー・リーブス・クローバーズコンサルティング株式会社という名前で活動し、2014年に今の名前に改名しました。 サイラスは「Sail(セイル)」と「Lust(ラスト)」を組み合わせた造語。「Lust(ラスト)」は日本語で「欲望」「切望」「渇望」等と訳される「非常に強い欲求」を意味する単語。社員みんなで“お金稼ぎの旅”に漕ぎ出そうという意味合いでサイラスと名付けました。 最初の会社で社長が暴走してしまったことで、お金の大切さを学びました。反面教師ではないですが、自分の会社は「社員も豊かになる会社」にしようという強い思いを持っています。長く一緒に働いて、会社を支えてもらうには、エンジニアが満足する給与を支払おうと心に決めています。

株式会社サイラスは、どんな仕事を手掛けてきましたか?

大学院で経営学を学んでいた関係で、「内部統制」の知識がありました。そこで、システム監査の事業からスタートし、クライアントからの信頼が増すにつれ、システムコンサルの仕事も頂けるようになりました。当初はクライアントとの間にSIerが1社入っていましたが、そのうち、クライアントと直に取引させてもらえるようになりました。最初は一人で始めた会社ですが、徐々に手伝ってくれる人材が入り、私はシステム監査の現場から離れて、システムコンサル事業をメインに手掛けるようになりました。 畑を耕して種を蒔いて芽が出たら、後を託して次の現場に行く。そんな感じで事業を広げてきました。現在は「ららぽーと」の案件にどっぷり浸かっていますが、再来年にはまた別の現場で働いていると思います。後を任せるエンジニアがいれば、会社はどんどん成長させられます。願わくは、私と同じように“開墾”ができるエンジニアを増やしたいです。そうすれば、成長を加速させることができ、みんなで豊かな生活を送ることができます。

「稼げるエンジニア」になる秘訣は?

コミュニケーションスキルを磨いて、クライアントと信頼関係を築き、業務知識を一生懸命身に付けて、そこでITスキルを活用する。これこそ、エンジニアが市場価値を上げる最短ルートだと信じています。業務知識とそこで動いているシステムについて詳しくなれば、クライアントから重宝されて、エンジニアの単価は上がります。三井不動産とららぽーとについては、当社が日本で一番詳しい自信があります。だから、あちこちの部署から依頼を頂けていると思っています。 クライアントから信頼されるには“良い下っ端”になることです。言われたことだけをするのではなく、クライアントや上司が何を求めているか考え、先回りする。放っといても万事上手くやってくれる“良い下っ端”は信頼されます。私もクライアントの“良い下っ端”であろうと努めています。時には、無理難題を言われたり、事業とは直接関係ない仕事も依頼されたりしますが、そういう仕事を快く引き受けていると次に繋がります。

どんなエンジニアを求めていますか?

採用では、現在のスキルよりもポテンシャルを大事にしています。ITコンサルをできるエンジニアが、転職市場にほとんどいないのを知っています。だから、エンジニアがITコンサルもできるように自社で育てようと思っています。システムコンサルに必要なコミュニケーションスキルは、座学で身に付くものではありません。現場でクライアントと密なコミュニケーションを取ることで磨かれるものです。 一昨年に採用した人材は、大学を中退してアルバイト生活をしていました。面談で“地頭の良さ”を直感し、採用を決めました。慣れない業界での仕事だったので、最初は四苦八苦していたようですが、一生懸命頑張って急速に伸びています。最近は「仕事が楽しい」とまで言うようになりました。 “良い下っ端”になってもらうために、早い段階でリーダーを任せていこうかと考えています。「立場が人を作る」ではないですが、責任あるポジションを実際に経験することで、視座を高められます。先輩が下に付いてサポートし、上司と部下をプロジェクトごとに入れ替えることで、クライアントに迷惑をかけずに人材育成を進められます。当社のあるクライアントには、部下が上司を選べる制度があると聞きました。互いに評価し合う良い制度だと思います。当社でもそんな試みをしていきたいです。

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