MICINを創業した思いをお聞かせください
今まで医者を含め複数の立場で医療に関わってきた経験から、医療に対する問題意識を現場の温度感で抱いていました。私が作りたいのは、人が自分の健康に対して納得出来る選択を下しながら、生きて、死んでいける社会です。このためには医療情報の浸透が必要不可欠であるにもかかわらず、現状医療情報の多くはデータ化されていないか、データになっていたとしても実際に活用するための土台はほとんど整っていません。このギャップを埋めることで理想の社会を実現したい、社会的な貢献を果たしたいという思いから、起業に踏み切りました。
同じ課題意識を持つ既存の組織が数多ある中で、問題解決の手段として新たに起業を選択したのはなぜですか。
確かに、課題の解決へ向けたアプローチとしていくらでも他のオプションはありますよね。たとえば厚生労働省に入るとか。特に起業にこだわった理由としては私自身の性格によるところが大きいのですが、それが大きく分けて3つあります。 ①新しい価値の創造に携わりたかった。まだ誰も手をつけたことのない新たな試みによってゼロから1を生み出すこと自体に、とってもわくわくするんです。 ②無理難題に取り組みたかった。大きいチャレンジに底なしの魅力を感じます。成功確率が低ければ低いほどやる気が出ますね(笑) ③最高のメンバーとタッグを組んで成し遂げたかった。 今の環境はこの3つがすべて揃っています。だからこそ最大のモチベーョンで最大のパフォーマンスを発揮したいと常に願っていますし、そういう組織にしたいと思っています。
事業としての可能性はどこにあると思いますか。
人にとって何よりも大切で、かけがえのないものは健康だと思っています。どんなに努力をしてもいくらお金を払っても、一度失ったら決して取り戻すことができないからです。 ありとあらゆるものが物質・精神両側面において満たされていく社会の中で、「健康」の持つ意味は相対的にますます重要になってきています。これと同時に何が本当に価値のある医療で、どうすれば人は健康に生きていけるのかという問いを模索していく意義もまた、どんどん大きくなってきています。 そして同時に、私たちはそれを誰よりもわかっていて、さらに医療のデータから付加価値を出すことのできるチームだという自信がある。今はまだ小さい組織ですが、そういう足がかり、確固たる地盤がある程度できている点を大きな強みとして認識しています。
ゼロから新しい価値を生み出すという試みの、どこにモチベーションを感じますか。原さんの原動力は何ですか。
何も存在していなかった、まっさらだった場所に価値が生まれることに、すごくわくわくするんです。単純に好奇心が強いのだと思います。こうであったらいいのになと思ったものに対して、すぐに行動を起こしたくなる。今やっている取り組みだと、例えばスマホ診療ですね。あらゆるものがオンライン化している社会なのに、医療分野においては未開拓だった。ここにアプローチしたい、と思ったんです。実現のために一つ一つ作り上げていくというプロセスを経なかったらこの結果って生まれなかったよね、と振り返るのも楽しいです。 今は絵空事と笑われるような出来事が、自分の取り組みによって今後起こり得るのかもしれない。たとえ想像もつかないような可能性だとしても、そこに挑戦すること、チャレンジすることに大きな意味を感じますし、モチベーションもそこにありますね。昔からそういう傾向はありました。
今後の夢を教えてください。
今はとにかく、MICINで仲間たちとチャレンジしていることを、実現までやりきることに尽きます。 まだまだ道も序盤戦だと思っているので、この挑戦を続けていきたいし、そのプロセスを楽しみながら、挑戦していきたいなと思っています。