ご略歴をお教えください。
1987年の大学卒業後にHR・販促事業等を手掛ける会社へ入社し、中途採用メディア事業の営業職としてキャリアをスタートさせました。その後、地域活性事業やフリーペーパーを手掛ける事業部門のディビジョンオフィサー等を経てグループ企業のエグゼクティブエージェントに移籍し、丸20年勤めたところで外資系の展示会会社に好条件でスカウトされ、2007年に転職します。 スイスのバーゼルで行われていた世界最大級の時計の展示会を日本に持ってくる仕事の責任者を務め、一応成功させましたが、それ以上新しいことができない見通しとなり、次を模索していました。そんな時に、知人であるコンサルティング会社の社長を介してクリーク・アンド・リバー社(C&R)の井川代表を紹介してもらったのです。半年ほど折に食事をしながら話をしていたのですが、井川さんが「クリエイターのキャリア支援だけでなく、その作品を権利化し、海外展開してマネタイズするようなビジネスをやりたい」と言ったのです。面白そうだと意気投合し、2011年7月にC&R社にジョインしてライツマネジメント事業の立ち上げを手掛けることにしました。ちょうどAmazonがKindleを展開し始めたタイミングで、デジタルコンテンツの流通ルートとして最適だと捉えて営業に行ったのです。当時、Amazonが膨大な書籍データのデジタル化に苦労していたことを知り、そのお手伝いを通じて信頼してもらい、パートナーとして認めてもらいました。これを機に国内の電子書店を60か所、コンテンツを提供いただく出版社との取引は350社を超える電子書籍取次事業へと成長させました。また海外展開は、中国、台湾、韓国、フランスの出版社と契約し毎年1,000タイトルを超える日本のコンテンツの翻訳権エージェント事業を行ってます。 2017年には中国の現地法人であるCREEK & RIVER SHANGHAI Co., Ltd.の代表、2021年にはブロックチェーンをベースにしたNFTプラットフォームの企画開発や運営を手掛ける株式会社ANIFTYの代表、そして2022年8月にリーディング・エッジ社の代表も兼務することになりました。
御社をどういう会社にしていこうと考えていますか?
就任する前まで、当社は新サービスの展開に力を入れるあまり、会社全体として収益力を落としていました。そこで、就任後は一旦新サービスを凍結して本業のシステム開発支援業務に専念することを決め、半期で黒字に戻しました。幸い、システム開発支援は強みを発揮し堅調でしたので。次の段階として、主役であるエンジニアが元気に働ける環境づくりを進めているところです。具体的には、エンジニアと一口に言ってもいろいろなタイプや志向の持ち主がいますので、それぞれのキャリアビジョンを実現できる環境をつくりたいと思います。そこで、スペシャリストであるエンジニアとして究めるルートや、プロジェクトマネージャーを目指すルート等、いくつかのキャリアコースをつくりました。あとは、人事評価制度もつくり直し、会社としてキャリアビジョンの実現に向けてバックアップしていきます。 それとともにグループ会社の強みを生かし、Salesforceの開発支援でC&R社との協業を行い、受託開発にも力を入れている所です。
松本さんの仕事観をお聞かせください。
私の仕事が世の中からどう評価されているか、常に感じられるようにしたいと思っています。 HR・販促事業等を手掛ける会社で地域活性事業を手掛けていた時、新聞で林業の後継者不足で山林が荒廃しているという記事を目にして、ピンと来ました。さっそく林野庁に行ってヒアリングすると、後継者募集が上手くできていないことを知り、UIターンメディアの活用を提案したのです。採用が決まると、1,500人もの応募者が詰めかけ、そのことが週刊誌に取り上げられました。時あたかもバブル経済の崩壊で、不動産会社や証券会社の人が殺到したわけです。目論見通りでした。この報道を機に、農業や漁業にも展開することになり、一定の社会的影響を及ぼせたことを実感し、手応えを感じました。仕事では、こうした手応えを得たいとの思いがありますね。クリークアンドリバー社にジョインしてからも、中国事業、NFT事業でメディアに取り上げられています。当社でも、何か話題となるようなエポックメイキングな新機軸を打ち出したいと思っています。
社員に対して、御社でどんな人生を過ごしてほしいかの思いをお聞かせください。
多くのIT企業の中で当社を選んでもらったからには、当社に決めて良かったと思ってもらいたいですね。例えば社員のお子さんに「お父さん(お母さん)の会社はいい会社だね!」と言ってもらえるような会社にしたいと思っています。仕事は何ができるかが大事ですが、誰とやるかのほうが大切かと思います。気兼ねなく話せる同僚、自分の思いを伝えられ聞いてくれく上司がいてくれると、ストレスなく働けると思います。そんな環境を用意したいと思っております。できるだけリアルに集まる機会も増やして、顔を見て話せる場を増やしていきます。個々のエンジニアも、伸び伸びとスキルアップに能動的に取り組んでほしいですし、思ったことは何でも会社に意見をぶつけてほしいと願っています。
オフタイムは、どういった過ごし方をしているのでしょうか?
週末は好きなゴルフと朝のランニング、そしてストレッチクラブ通いをやって体を動かすようにしています。家では週末は私が食事の担当です。先週は朝からご飯炊いて味噌汁作り、魚焼きました。夜はイタ飯が好きなので、パスタは、ペペロンチーニやアラビアータ等、何種類か作れますよ。ローストビーフも、肉の塊を買ってきて一から作っています。もちろん、最後の食器洗いと片付けまでやっています。 その代わり、平日は何もできませんが(笑い)